参考記事:Chara(Undertale wikiより翻訳・加筆)
ネタバレ注意! |
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この記事には大きなネタバレ要素が含まれています。もしゲームをクリアしていないのなら、この記事を読むことはお勧めできません。 |
Chara(キャラ) は、イビト山から地下世界に落ちてきた最初の人間である。First Human"最初の人間", Fallen Child"落ちてきた子供"とも呼ばれる。キャラという名前が本当の名前とされている(後述)だが、ゲームキャラクターとしての名前はプレイヤーがつける。この人物は既に亡くなっているため、ゲーム中にほとんど姿を見せない。しかし何故かプレイヤーが最初に名付けをするキャラクターとなっている。
概要
容姿
キャラの容姿と服装はフリスクと良く似ている。オープニングムービーなどの過去のシーンでは、首筋にかかる程度のショートヘアで、横縞が1本入った長袖シャツを着ている。(セピア色のムービーなので色は不明。)地下世界に落ちてきた時点での年頃はフリスクと同じくらいに見える。顔が隠れるようなアングルで描写されるので、表情は分からない。
Gルートのラストシーンで姿を見せるとき、背格好や髪型はフリスクとほぼ同じだが、ぱっちりと開いた目とフラウィに似た張り付けたような笑みが全く異なる印象を与える。また、白い肌、ピンク色の頬、やや明るい茶色の髪もフリスクとは異なる。この時の服装は、黄色の横縞が1本入った緑色の長袖シャツ、茶色のズボン、そして茶色の靴である。シャツの配色はアズリエルのものに似ている。
ニューホームにある棺桶の意匠などから判断すると、キャラのタマシイは赤色であったと思われる。
メインストーリー・人間性
Nルート
ニューホームでモンスターたちが語る物語は次のような内容である。
「いせきに落ちてきたキャラは、ケガをして助けを呼んでいるところをアズリエルに発見された。アズリエルはキャラを城へ連れて帰り、一緒に暮らすうちに2人は兄弟のように仲良くなった。トリエルとアズゴアは、キャラを我が子のように可愛がり、地底の世界は希望につつまれた。」
「ある日、キャラは重い病にかかった。キャラの最期の願いは故郷の村の花畑を見ることであったが、バリアから出られないモンスターたちには、その願いを叶えることはできなかった。翌日、キャラは息を引き取った。悲しみにくれるアズリエルは、キャラのタマシイを取り込み、凄まじい力を得てバリアを通り抜けた。」
「アズリエルはキャラの故郷へ赴き、その遺体をきんいろの花畑に横たえた。しかし、村人たちはアズリエルがキャラを殺したと勘違いし、捨て身でアズリエルに攻撃してきた。アズリエルは反撃せず、キャラの遺体をしっかりと抱いて、微笑みながら立ち去った。深いケガを負って城へ帰りついたアズリエルは、その場に倒れこみ、チリとなって城の庭に降り注いだ。」
キャラの遺体は、城にある棺桶の中に安置されていたと思われる。その棺桶にはキャラの名前(プレイヤーが名付けた名前)が記されているためである。
このアズゴアのセリフからは、彼がキャラを深く愛していた、あるいは評価していたことが読み取れる。また、キャラが落ちてきた201X年からフリスクが落ちてくるまでに相当に長い年月が経過していることが分かる。
Pルート
しんじつのラボでは、アズリエルたち家族の撮ったビデオテープの音声を通して、Nルートでは語られなかった過去を知ることが出来る。その内容は以下のようなものである。
テープ3 「以前、アズリエルたちがアズゴアにバタースコッチパイを作るとき、『バター カップ1』を『バターカップ』の花(キンポウゲ)と勘違いしてしまい、その毒でアズゴアは非常に体調が悪くなった。アズリエルは反省したが、キャラはそれを笑い飛ばした。この出来事を覚えているかとキャラはアズリエルに尋ねる。覚えていると言うアズリエルに対し、キャラは話を続けるが、その前にビデオを止めるよう指示する。」
テープ4 「キャラはアズリエルにバターカップの花を摘んでくるように言う。その目的は、みんなを自由にすること。アズリエルは泣きそうなほど嫌がるが、最後はキャラを信じて言う通りにする。」
テープ5 「アズリエルはキャラに目を覚ますように言い、アズゴアもキャラに必死で呼びかける。アズリエルはためらいながらも、キャラの言葉を反芻する。『6つ手に入れる。ふたりで一緒にやる。』」
また、しんじつのラボからエレベーターで出る際、キャラに対して語りかける謎の電話がかかってくる。その内容は、「キャラ(プレイヤーの付けた名前)、久しぶり。キミはよくやってくれた。おかげで何もかもうまくいった。また後で。」といったものである。
これらの内容から、キャラの最期は自身によって計画されていたと推測できる。まず、自らバターカップの花を摂取し、自分のタマシイをアズリエルに取り込ませてバリアを通過する力を得る。そして、残り6つの人間のタマシイを地上で集め、バリアを破壊する、という計画である。
バリアを破壊してモンスターを自由にすることはキャラの願いであったのか、それともアズリエルを納得させるための方便だったのかは不明である。
エピローグにて、いせきの花畑へ戻ると、アズリエルがいる場合がある。このとき、以下のような告白を聞くことができる。
「キャラがイビト山に登った理由はいいものではなかった。キャラは人間を強く憎んでいたが、その理由は教えてくれなかった。キャラは立派な人間ではなかったかもしれない。」
「キャラのタマシイを取り込んだとき、アズリエルの身体を動かす力は2人ともが持っていた。キャラの遺体を持ち上げたのはキャラ自身の意思だった。キャラの故郷の村では、キャラは人間を全力で攻撃しようと言ったが、アズリエルは反対した。」
Gルート
※注釈…このセクションは推測や公的な情報ではないものを含みます。
このルートでは、ナレーションがキャラの心情を描写しているようにも見える。キャラしか知りえないような情報が語られるためである。また、デモ版のエンディングのように赤字で表示されるテキストが多く存在する。
殆どのモンスターは一撃でチリとなる。これは、スノーフルの図書館の本に書いてあるように、モンスターは戦いを望まない場合に防御力が低下し、相手が残忍であるほど大きなダメージを受けるためだと推定される。
主人公が優しさや思いやりを失っていると示唆する描写が多い。モンスターの子に対する攻撃性や、アズゴアやフラウィーに対する能動的な攻撃は、選択肢が出ず、プレイヤーの操作を半ば離れている。また、このルートでは、フラウィやサンズは、主人公が人間ではない(からっぽ。人間のフリをしている。)と述べる。アズゴアは、主人公が何のモンスターか分からないと述べる。
フラウィは主人公をキャラと同一視しており、死んだはずのキャラがいせきで復活した理由として、トリエルがニューホームを出る時にキャラの遺体をいせきに運び、埋葬したのだろうと推測している。
Gルートのラストシーンで、キャラは初めて姿を現し、プレイヤーに向かって語りかける。曰く、プレイヤーによって、HP、ATK、DEF、ゴールド、EXP、LVなどの「力」が高められた結果、キャラは死の淵から復活を果たしたという。そして、極限まで高められた「力」を用いて、キャラはゲーム世界を破壊する。このとき、世界を破壊するか否かの選択肢が出るが、どちらを選んでも結果は同じである。既にキャラの行動はプレイヤーの手を離れているためかもしれない。
しかし、この時点ではプレイヤーの操作するタマシイはキャラの手に渡ってはいないと考えられる。キャラ自身が述べているように、主人公の身体に宿った「ケツイ」、「ニンゲンのタマシイ」はキャラのものではないのである。つまり、プレイヤーに操作権があると解釈できる。
ゲーム世界が破壊されると、ゲームを再起動しても画面は真っ暗となり、タイトル画面すら表示されない。そのまま10分が経過すると、「自分のしたことのツケを払わずにすむと思っている」だろうと尋ねられる。これを否定すると、キャラの求めるものを差し出すならば世界を復活させるという取引を持ちかける。キャラが求めるものとは、「タマシイ」である。つまり、プレイヤーからタマシイの操作権を奪おうという目論見だと推測できる。
タマシイを差し出すと、1点の爪痕を残してゲームは完全に初期化される。これ以降にPルートエンディングを迎えると、最後のシーンにおいて、フリスクがキャラに乗っ取られたような描写が加わり、ハッピーエンドではなくなる。(これは非公式に「Soulless Pacifist」(Sルート)または「Soulless True Pacifist」(STPルート)と通称される。)またPエンディング後の完全リセットでも元には戻らなくなる。
プレイヤーがGルートを二度以上完遂した場合、「何故世界を再構築してまた破壊することを続けるのか」とキャラは問う。その後、キャラは「『捻じ曲がった感傷性』を持つから、プレイヤーはこんな変な行動を取るのだ」「自分の意見とは関係なく、またプレイヤーは世界を再構築するだろう」ということを言う。自分の思い通りに何度も何度も世界を破壊してはリセットを繰り返す主人公の感情は、既にキャラにすら読み取ることができなくなっていた。最終的に世界は破壊されるが、ゲーム再起動直後はイベントが発生せずタイトル画面が現れる。
人物との関係
アズリエル,フラウィ
地下に落ちてからの義理の兄弟にして最大の親友。アズリエルはキャラを「唯一の理解者」と呼び、その友情はアズリエルがフラウィの姿に変わり、愛を失った後でも消えることはなかった。
Gルートではフラウィは主人公に「世界を消滅させよう」という提案を持ちかけ、途上の障害の一部を取り除いている。だが(少なくともニューホーム到達時点では)、もはやキャラはフラウィを粉々にすり潰すことに躊躇しなくなっていた。 フラウィにすら反逆し、大虐殺を易々とやってのける主人公は、もはやフラウィの想像を超え、誰にも止められない存在に変わっていた。フラウィは主人公に協力するから殺さないでくれと懇願するが…
主人公(プレイヤー/フリスク)
Gルートを完遂した時のみ、キャラは自分の姿を明らかにし、プレイヤーのケツイによって自分は転生したのだと語りかける。 プレイヤーがモンスターを殺してEXPを得るたび、キャラはより強くなったように感じたという。
キャラの「世界を消滅させよう」という提案を受け入れた場合、キャラはプレイヤーのことを「Partner(相棒)」と呼ぶ。
フリスク本人との関係性は「同じ色のタマシイを持っていた」ということ以外は一切明らかになっていない。しかしながら、ゲーム内に登場する、あるいは存在が示唆される8人の人間(主人公を含む)の中で唯一タマシイの色が重複している。
赤色のタマシイは「ケツイ/Determination」を表す色で、ケツイを通して何らかの繋がりがあったと推測される。
トリエル
キャラが地下に落ちたとき、トリエルはキャラの母親の役割を担った。 彼女はキャラをとても気に入って、アズリエルと同等に愛した。キャラが死んだ後も人間に対する彼女の振る舞いからそのことが分かる。
だがGルートにおいてプレイヤーに殺害された時には倒れる前に「私が人間をいせきに匿うことで守っていたのは、人間ではなく皆(モンスターたち)だった。」と言っており人間に対する考え方を転向したようにも見える。
アズゴア
トリエルと同様、アズゴアはキャラに対し父親として接した。
※注釈…このセクションは推測や公的な情報ではないものを含みます。
Gルートにおいて何回かの短時間の間、プレイヤーのコントロール不能になり能動的に動くことがあるが、これはキャラが主人公を直接コントロールしたためだと考えられている。
- 事例1…サンズにランプの後ろに隠れるよう言われたにも関わらず、隠れなかった。
- 事例2…パピルスとの最初のパズルの時、パピルスを無視し、パズルにお構いなしに直進した。
- 事例3…アンダインと戦う前に、モンスターの子に向かって振り返り、攻撃的に近づいた。
- 事例4…メタトンとの戦いにおいて、メタトンは主人公が戦いたがっていると述べた。
- 事例5…サンズとの戦いの前に、主人公はサンズを挑発するように真っ直ぐ進む。また主人公は、プレイヤーの入力無しにサンズを倒す一撃を繰り出す(プレイヤーによるとどめの一撃が外れ、サンズが避けた後)。
- 事例6…王座の間において、プレイヤーの入力無しに、キャラは躊躇なくアズゴアを殺す。フラウィに対しては、プレイヤーがENTERキーかZキーを一回入力すると、複数回の攻撃が為される。
さらに、主人公のテキストが時々キャラの声と考えに置き換わる時がある。赤色で示されるこれらのテキストはキャラ自身の様々な事物に対する認識であるとされており、それが最も顕著なのはハートのロケットとふるびたダガーの時で、キャラは端的に「ロケット」「本物のナイフ」と述べている。
名前について
ゲーム内でこの人物が言及される場合は必ずプレイヤーが入力した名前が当てはめられ、キャラという名前が直接言及されることはない。
ただし、プレイヤーが名前に「Chara」「キャラ」と入力した場合は確認時に「ほんとうの なまえ。」と表示される(プレイは可能)他、何らかの手段でセーブデータから名前を空欄に変えた場合も名前は自動的にキャラへと変更される。
台詞
Gルートエンディング
- ごきげんよう。
- 私は <名前>。
- 礼を言おう。
- お前の力で 私は死の淵から蘇った。
- 私の中の「ニンゲンのタマシイ」。
- 私の中の「ケツイ」。
- それは 私ではなく お前のものだった。
- 始めは 私にも 理解できなかった。
- アズリエルと私の計画は 失敗したはず。
- ではなぜ 私は蘇ったのか…?
- …
- お前が…
- 導いてくれたおかげで…
- 私は 自分を蘇らせたものが 何なのか悟った。
- それは…「力」だ。
- 私たちは ともに敵をせん滅し 力をつけた。
- HP…ATK…DEF… ゴールド…EXP…LV…
- 数字が大きくなるたびに お前が感じたもの…
- それが私…
- 「<名前>」だ。
- さて。
- 私たちはついに 極点に到達した。
- ここにはもう 私たちに必要なものはない。
- こんな世界は今すぐ消し去り 次へ進もう。
- [けす]
- やはり お前は 優秀なパートナーだ。
- 私たちは 永遠に 離れることはない。
- [けさない]
- ほう…?
- そうか…
- それは興味深い。
- どうやらお前は 理解していないようだ。
- お前は いつから 私に指図する立場になったのだ?
深淵
- [Gルート完遂後、ゲームを再起動し10分後]
- おもしろい。
- お前は 戻りたいというのか?
- みずから破壊した世界に?
- こんな結末になったのは 自分のせいだというのに。
- お前が この手で この世界を破壊したというのに。
- その結果を受け入れられないと?
- お前は 自分のしたことの つけを払わずに済むと思っている。
- 勝手なものだ。 [はい]
- では 何を期待している? [いいえ]
- [6秒後]
- では…
- こうしよう。
- お前は 私が求めるものを 持っている。
- それを差し出せ。
- そうすれば この世界を 復活させてやろう。
- [はい]
- 交渉成立だ。
- お前のタマシイをいただこう。
- [いいえ]
- ならば永遠に ここにいるがいい。
- [再びはい]
- …
- よし。望みをかなえてやる。
Gルートエンディング2周目
- ごきげんよう。
- 私は <名前>。
- 「<名前>」。
- それは 名を呼ばれれば現れる悪魔。
- いつであろうと。
- どこであろうと。
- 私は何度でも現れる。
- そしてお前と力を合せ…
- 敵をせん滅し 力をつける。
- HP…ATK…DEF… ゴールド…EXP…LV…
- 数字が大きくなるたびに お前が感じたもの…
- それが私…
- 「<名前>」だ。
- …
- だが。
- お前と私は同類ではない… そうだな?
- このタマシイは 不可思議な感情に満ちている。
- お前がこの世界を つくり直しては…
- 何度でも破壊を繰り返すことには 理由がある。
- お前は…
- お前の心は ゆがみ ひずみ 壊れている。
- 私には…
- もはや お前の感情は 理解できない。
- しかし それでも…
- 私はお前に 提案せねばならない…
- いま一度 この世界を つくり直すか と。
- お前には "別のルート"のほうが ふさわしいのでは…?
- さあ パートナーよ…
- ともに この世界を 深淵の闇に葬ろう。
- [けす]
- やはり お前は 優秀なパートナーだ。
- 私たちは 永遠に 離れることはない。
- [けさない]
- ほう…?
- お前は抱く この感情…
- これこそ まさに 私が今 言及したものだ。
- しかし 残念ながら この件については…
- お前は ずいぶんと前に 選択済みだ。
トリビア
- キャラの服の色(黄色と緑)は、主人公の服の色(青と紫)の補色になっている。
- トビー・フォックスは、Fallen Child(=落下してきた子供/亡くなった子供)に名付けをする際、プレイヤー本人の名前を付けることを推奨している。しかし後に「他に思いつく名前が無ければ」と付け加えており、プレイヤーが飼っている猫の名前でも良いと言っている。つまるところ、何の名前でも良いのだろうと思われる。
- キャラの好物はチョコレートであることが暗示されている。プレイヤーがアズゴアの家で冷蔵庫を調べた際、Gルートである場合「チョコレートは ない。」とメッセージ欄に表示される。
- アズゴアの家にはチョコレートがないが、トリエルの家の冷蔵庫にはチョコバーがしまわれている。このことから、トリエルはキャラの味の好みを思い出として冷蔵庫にしまっておいた可能性がある。
- ニューホームで見つかる装備ハートのロケットとふるびたダガーは、Gルートではロケットとほんもののナイフに変化している。いずれも全てキャラにまつわるアイテムだとされており、それぞれロケットとダガー/ナイフが同一の物品である可能性がある。
- ゲームファイルの中に、キャラ同様の服装(緑と黄色のストライプ柄のシャツ、茶色のパンツと靴)をしているが、目のあたりに影がかかっていて顔の見えない画像データがある。この画像は、デバッグモードにおいて、水たまりや鏡にプレイヤーの姿が映った時に表示される(参考動画)。Gルート完遂後のゲームにおいては、常時このように表示されるのではないかと推察されている。
- 主人公の服(紺色にマゼンタ色のストライプ)は、キャラの服(緑色に黄色の線)の反対色になっている。しかし主人公の服は2本線、キャラの服は1本線であり、模様やドット絵には若干差異が見られる。